日経プラス1「デジタルスパイス」山根一眞(2001 12/8)
アクセスされないホームページ
インターネットの検索エンジンとして人気の高いGoogleが、検索対象としているホームページは世界で約16億ページにのぼる。
販路開拓や顧客拡大のためにホームページを開設している企業にとって、インターネットの利用に16億という情報の”大密林”の中から自社のページを探し出してもらうことが重要になってくる。
ユーザーは求める情報や企業のホームページへ迅速に到達しようと、キーワードを叩き続ける。
しかし、ページはちゃんと存在するのに「該当するページが見つかりませんでした」という結果しか得られないというケースは案外多いようだ。
企業だけでなく、政府系研究機関のホームページなどでも「なぜか検索エンジンに引っかからない」と言う声をよく聞く。
この問題を指摘するメールをくださったのは、ホームページの診断を仕事とする「インターネット安曇野」の平林登さんだった。
「5、6年前にホームページを開設した多くの事業者が落胆しています。待てど暮らせど、メールでの引き合いがなく、インターネットによって商談が成功したという実例がないから」だという。
その原因として、平林さんは「ホームページのタイトルを記入していなかったり、コンテンツがテキストでなくGIFなどの画像ファイルとで構成されていたりして、内容が検索エンジンに認識されず今に至っているページが驚くほど多い」と指摘している。
どんなに美しくても、検索エンジンでヒットしないホームページは新たな読者を獲得していくことは難しい。企業は、社名や商品名など自社固有のキーワードをページの中でテキストとして明快に示すことが重要なのだ。
ホームページがはたしてこのような欠陥を抱えたままになっていないか、企業の担当者は一度点検してみてはどうだろうか。
さまざまな検索エンジンを使って、自社のホームページにうまく到達できるかどうかを試してみればよいのだ。(ノンフィクション作家)
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